海苔の養殖
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海苔を育て続けて半世紀
大阪湾で海苔の養殖が盛んになったのは1970年頃。名倉水産の先代・名倉 繁夫(なくら しげお)が海苔養殖を始めたのは昭和42年(1967年)頃のことでした。当時は海苔はまだ高級食材で、1枚が20円、今の価格で言うと100円ぐらいの値打ちがありました。
当時は泉佐野から、岬町の深日(ふけ)までの漁港にかけて、70軒もの海苔養殖業者がいましたが、製造技術の向上によって生産量が大きく増え、海苔の取引価格が下落。その結果、1990年代には多くの業者が廃業することになり、今では大阪府全体で、ここ阪南市にわずか3軒を残すのみとなってしまいました。
北海道で学んだ「浮き流し漁場」方式
海苔の養殖方法には、海中に立てた柱に海苔網を縛って固定する「支柱式漁場」と、海苔網を浮きで海面に浮かせながら、錨(いかり)を沈めて固定する「浮き流し漁場」の2種類があります。
先代・名倉 繁夫が海苔養殖を検討していた頃、この辺りでは、海苔の名産地といわれる有明海で主流となっている支柱式漁場での養殖が行われていました。
しかし、支柱式はこの海には合わなかったようで、上手く行かなかった周りの養殖業者はみな事業継続を諦めていきました。
そこで先代は、1960年代から普及し始めた浮き流し漁場に着目。家族を置いて単身で北海道に出かけ、身をもって、その技術を学んでまいりました。
手間が絶えない海苔養殖の仕事
海苔は胞子によって繁殖する海藻類で、春に成熟すると、オスとメスの有性胞子を放出。この胞子が結合して果胞子(かほうし)となり、糸のような形に姿を変えて、夏の間をカキ殻に潜り込んで過ごします。
この状態はカキ殻糸状体(かきがらしじょうたい)と呼ばれ、秋になり、糸状体から分裂してできる殻胞子(かくほうし)が、いわゆる海苔の種となります。
海苔網への殻胞子の種付けが行われるのは、10月を迎えた頃。陸上の水槽にカキ殻糸状体を入れ、その上で、1枚の長さがおよそ20メートルもある海苔網を水車に巻き付けて回転させながら、殻胞子を付着させていき、発芽させた後に漁場に移して、海の中で育てていきます。かつては糸状体から自分たちで育てたものですが、今は糸状体の管理や種付けを専門でしてくれる業者がいるので、だいぶ手間が軽減されています。
難しい温度管理。自然任せの生育。
海苔を育てるのは温度管理が肝心。発芽しても水温が高いうちは病気になりやすいため、芽が出た網は冷凍保存し、水温が安定する12月ごろまで待ってから漁場に網を張ります。
海苔網を漁場に張ってからは、すべてを自然の環境に託すしかなく、これまで以上に注意が必要となります。私たちは毎日漁場に出かけ、海苔が順調に育っているか、珪藻などが付着していないか、病気にかかった海苔はないかなどを確認。さらに定期的に海苔網を船の上に引き揚げ、消毒を行うことも欠かしません。
冬の収穫時期
本格的な冬の気候となる12月の終わり頃から収穫の時期を迎えます。海苔はおよそ2週間で15センチメートル前後の大きさに成長し、収穫ができるようになります。1つの網で数回刈り取りを行うと、冷凍しておいた新たな海苔網と交換して再び海苔を育てます。この作業を繰り返しながら、収穫は4月頃まで続いていきます。
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